専攻長ごあいさつ

自然と人の未来のために

私たちが当たり前のように利用している水、空気、食料、心地よい気候環境など、いわゆる生態系サービスは自然からの恵みです。人とその祖先はこの生態系サービスに依存して生きてきました。しかし、人類社会の経済活動が優先される中で地球上から既に多くの自然が失われ、これまで通りの生態系サービスを享受できないレベルにまで自然破壊が進行しようとしています。私たちはようやくその重大さに気付き始めていますが、十分な対策が取られているとは言えない状況でしょう。

身近な大気汚染や洪水から、地球規模の気候変動や生物多様性問題まで、自然環境に関する問題は膨大です。それらを解決するためには科学的な知見が不可欠です。しかし、地圏、水圏、大気圏、生物圏と、それら構成要素が複雑に連関し、人間活動の影響も加わる自然環境問題の解決には圧倒的に知見が不足しています。私たちの専攻では、自然環境を構成する各要素の基礎を効率的かつ分野横断的に学べる環境を提供しています。これは入り口までの案内。修士論文や博士論文では、自然環境に関連した興味のあるテーマの研究に取り組むことでより専門的な知識を学ぶとともに、自ら新たな知見を得る体験もできるでしょう。その新たな知見を集積していくことが、自然環境問題の解決に必要だと考えています。

一般社会においても自然環境の重要性が認識され始めており、自然環境を無視したような開発や経済活動は厳しいバッシングに晒されることも珍しくありません。そのため、正しい自然環境学的知見を備えた人材が多くの企業から望まれています。そして何より、一人一人の行動こそが自然環境と密接につながっていることを考えれば、正しい自然環境学的知見を備えた人物を一人でも多く社会へ輩出することが、地球の未来にとって重要であると考えています。

私は豊かな自然の中にいるのが心地よく、楽しくもあります。それは長い進化の過程で遺伝子に刻まれたものなのかもしれません。そして、この豊かな自然を未来に残したいとも考えています。おそらくこのページをご覧の皆さんも私と同じような感覚や考えをお持ちの方が多いのではないでしょうか。私たちの専攻では、自然の中で学び、自然の中で研究する楽しみを存分に味わうことが可能です。それが人と自然の未来に貢献できるのですから、やりがいもあります。是非一緒に自然環境学の道を歩んでみませんか。

2020年4月1日
自然環境学専攻長・教授 奈良一秀

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