専攻長からのメッセージ

ご挨拶

2016年4月1日
自然環境学専攻長
小島茂明

自然環境学専攻は新領域創成科学研究科環境学研究系の一員として、熱帯から極域、高山から深海、都市から原生林、市町村から地球規模の様々な時空間スケールで、自然環境に関する研究教育をおこなっています。

自然環境学専攻の最大の特徴は単に自然現象を理学的に研究するだけでなく、常に人間社会との関係性を意識して、より良い自然と人間の共生関係の実現を目指す環境学的な視点を持っている事です。自分の研究対象に関して深く探求すると共に、私達を取り巻く自然環境について幅広い興味と知識を持つT型の人材を育成したいと考えています。そのための仕掛けとして、自然環境野外総合実習、コア科目、コースゼミなど様々なカリキュラムを設けています。
自然環境野外総合実習は入学後すぐに泊りがけで行う実習で、専攻の全ての教育のイントロダクションであるとともに、同期の学生間の交流を深める事を目的としています。海岸から丘陵にかけての良好な自然を一体として観察すると共に、開発と自然保護を巡る地元社会の状況を実地で学ぶ事で、後に続く授業科目の理解を促進する事を目的としています。コア科目は、修士1年の夏学期に集中しておこなわれる選択必修科目群で、自然環境に関わる多様な分野の基礎知識を幅広く身につける事ができる様に設計されています。コア科目を履修した上で、更に冬学期以降に専門的な選択科目を受講したり、自分の研究を進めたりする事で、自分の専門とする研究を幅広い自然環境学の中に的確に位置づける事ができる様になると思います。多くの野外実習を実施しているのも自然環境学専攻の特色のひとつですが、実習科目についても基礎的な選択必修科目と応用的な選択科目に再編成する事を検討しており、来年度からの試行を目指しています。コースゼミは陸域・海域コースまたは専攻全体でおこなうゼミで、毎週開講されています。所属する研究室のゼミと違って、様々な専門分野の研究を行っている聞き手に対して、自分の研究の意義や面白さ、方法、成果を分かりやすく説明する事が求められます。そうしたトレーニングは、在学中だけでなく社会人になっても大いに役立つ能力の獲得につながります。

私達は専門分野における研究者の育成だけでなく、自然環境学の知識を活かして社会で活躍する人材を輩出する事も同じ様に大切だと考えています。自然を大切にしながら、賢く利用して、真に持続可能な社会を作るためには、社会の様々な場面で自然環境学に精通した人材がリーダーシップを発揮する事が必須であると考えるからです。そのため、学生の就職活動に柔軟に対応すると共に、コア科目の成績優秀者の表彰、卒業生によるキャリアパスに関する講演会などをおこなっています。

2011年の東日本大震災とそれに伴う巨大津波、原子力発電所の事故は、自然を理解する事の難しさを痛感させ、自然を支配する事から自然と共存する事へ意識を変革する事を迫る出来事でした。私達の科学的知識は常に発展途上であり、その時点での“常識”を越えた事が起こりうる事を謙虚に認めた上で、リスクと利益のバランスを慎重に検証していかなければなりません。しかしながら昨今の状況を見ると、多くの方々の犠牲と引き換えに得た貴重な教訓が、時が経つにつれて風化し、再び経済優先の社会に回帰しつつある様に思われます。今こそ、自然と人間社会のあるべき関係性の構築に向けて、理系と文系、基礎科学と応用科学、学問分野の壁を越えて英知を集める時と考えます。そのかじ取り役となる自然環境学の重要性は、いささかも減じる事はありません。

一緒に自然環境学を学びましょう!

PAGETOP
Copyright © 自然環境学専攻  All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.